人間万事塞翁が馬
　本当は運ちゃんの指示を無視して下りて引き返したかった。　そのとき、バスの窓越しに "ヤマムスメ" の姿が目に入ったからだ。　それでも、運ちゃんのせっかくのご親切を無にすることはできなかった。

　もし、そこで下りていたら、このゴシキドリには逢えなかったことは確かだ。　逆に、もし、下りていたら "ヤマムスメ" に逢えたかというと　"may be yes, may be no" ということだろう。

　cf. 大屯自然公園
　cf. 人間万事塞翁が馬 （カンムリオオタカ）



　このフレーズは、私の好きな歌 Eyes On Me (Faye Wong) にある。　それが実際に、アメリカのとある州立自然公園のゲートのおじさんから同じ言葉を聞いたのだ。

　"California Quail" は、ここで見れますか？　・・・ と聞いたときに返されたのだ。　私には "Faye Wong" の甘い歌声が耳にこびりついている。

　これは心の綾を表現するもので、こういった状況では使って欲しくないのである。　そんな回答なら初めから想定済みのことだ。　どこそこで見かけたよ、とか何とか具体的な事実を聞きたかったのだ。

陽明山国家公園　Yangmingshan National Park 　台湾に八箇所ある国家公園の一つで、台北から日帰りで行けるところから人気がある。　ただ、本格的なものから、車イスでも行けるものなど、トレッキングのコースも多岐にわたり、一口では語れない。 　よくわからないまま、ただ陽明山という目的地の名前を出して教えられたバスに乗ったのだが、六甲山へ行きたいというようなものだろう。　六甲山でもいろいろある。　ガイドブックを見せて運ちゃんに確認すると、どうやら方向違いのようだった。 　停まったバス停で降りて引き返そうとすると、『ここは駄目、また知らせるからこのまま乗ってなさい』 とのことだった。　そのときだ。　農家の庭先に観たいと思っていた、台湾の国鳥である "ヤマムスメ" が数羽、遊んでいるのが見えた。 　何を隠そう、この陽明山に来たのもヤマムスメがいると知ったからだったのだ。　それを目の前にして、バスは再び走り出してしまった。　せっかくのご親切を無にすることはできない。 　それからずいぶん走ったと思うのだが ・・・ とあるバス停で下された。　それが乗り換えのバスがなかなか来ないのだ。　ここは峠道のようで、見晴しがよい。　また、展望所もある。 　そこで、このゴシキドリと出逢ったのである。　何でも、こんなものかも知れない。　その後、訪れた陽明山ではヤマムスメに出逢うことはなかった。 　cf. 人間万事塞翁が馬 大屯自然公園　Datun Natural Park 　ここは陽明山国家公園の中でも、その車イスでも行けるというところである。　また、あやしい空模様の中であるから丁度良い。　 　散策路はよく整備されており、車イス用と並行するように林の中の路もあったりする。　車イスの人は見かけなかったが、お年寄りから子供連れまで行き帰りしていた。 　ビジターセンターのおじさんは、『今朝はそこにヤマムスメがいたよ』 というではないか。　そうかも知れない。　野鳥は朝方によく活動するというのは本当だろう。　夜型人間にとっては難しい相談である。

大屯自然公園の風景 (1) Datun Natural Park　Yangmingshan National Park, Taiwan 2012/11/21　Photo by Kohyuh

大屯自然公園の風景 (2) Datun Natural Park　Yangmingshan National Park, Taiwan 2012/11/21　Photo by Kohyuh

★渡り　*214
　ゴシキドリは、台湾の低～中程度の標高の山麓に留鳥として棲息する。　飛翔力は弱く、また、地上に降り立つことは無いようだ。　派手な色のようでいて、結構、背景にまぎれて見つけにくいものである。



★食べもの　*214
　ゴシキドリは主に液果、果実を採餌するが、繁殖期には昆虫なども捕食する。



★名前の由来　*31
　ゴシキドリの名前の由来については図鑑に説明はない。　日本では見られない鳥だからであろう。　ただ、五色鳥と漢字名で記すと、その必要はなかろう。　赤、黄、青、緑、黒の五色が容易に見て取れる。

　cf. ゴシキヒワ
　cf. お耳にかなう
　cf. 玉虫色について
　cf. 鳥の羽の色素
　cf. 構造色

cf. ツィータ過去ログ連動 ・・・ 台湾編 2　(2012/11/19 - 2012/12/06)
　(1) 2012/11/21　陽明山ハイキング　バイク軍団
　(2) 2012/11/21　陽明山ハイキング　バス路線を間違った
　(3) 2012/11/21　陽明山ハイキング　車椅子でも行ける初心者コース

補注
　今回は、数日遅れではあったがツィータ twitter およびツィートピック twitpic を利用して、旅先から投稿した。　その過去の記録と連動させることによって本文を補強する。

　ここで日付は現地時間である。　時差は考慮していないので、多少のずれが発生するかもしれない。